応援隊・支援員インタビュー「土と風‐地域を耕す人びと-2014-」  Vol.10東松島地区

地域住民・鹿又千恵さん(44)
〔プロフィール〕1970年生まれ。東松島市の鷹来の森運動公園仮設団地自治会の副会長(会長はご主人)を務めている。

東松島地区復興応援隊・庄司由美子さん(58)
〔プロフィール〕1956年生まれ、山形県出身。大手化粧品会社(資生堂)での勤務や自宅でのエステサロン開業の経験を活かし、市民センターなどで美容セミナーを開催するほか、エコクラフト教室なども開催。


自立を目指す仮設住宅のコミュニティーづくりをサポート

小さくても自分にできる支援をしたい

―どのような活動をされていますか?
庄司由美子さん(以下庄司さん)「おもな活動は、仮設住宅自治会の運営サポートや、市民センター、各種団体の復興イベントの開催支援などです。仮設住宅の集会所で定期的に開かれる『お茶会』では、長年美容部員として務めた経験を生かし、アンチエイジングセミナーとして美容セミナーを開催したり、エコクラフトの教室の講師をしたりすることもあります。」

―復興応援隊になったきっかけは?
庄司さん「出身は山形ですが主人の転勤で東松島市大曲に越してきて10年になります。東日本大震災の津波では、自宅も被害を受けたものの、リフォームして住むことができました。少し落ち着いて周りを見回すと、家や家族を失った人たちのことが気になり始めました。普段は何気なく暮らしているようでも、心は傷ついたままなのではないだろうか。何か少しでも自分にできることはないだろうか。そう思ったときに復興応援隊の仕事を知り、応募しました。2012年5月のことでした。」

―お2人の出会いは?
鹿又千恵さん(以下鹿又さん) 「私は鷹来の森仮設住宅自治会の副会長をしており、日ごろから復興応援隊の皆さんに活動を支えてもらっています。主人が会長をしておりますが、日中は仕事に出ていますので私が会長代理として活動することが多いんです。

鷹来の森仮設住宅は、東松島で最後にできた仮設住宅で東松島市外から入居された方も多いところ。ご近所づきあいを一から始めなければならないのは不安ですが、2011年秋にできた自治会が住民同士が集えるイベントをいろいろ開催してくれたので、入居当時は私も(当時)小学1年生と3歳の息子を連れて参加し、いろいろな方とお付き合いすることができるようになりました。そうしたつながりで、専業主婦だったこともあって自治会の活動をするようになったんです。

2012年7月から復興応援隊の活動がスタートして、自治会の運営の仕方を教えてもらってきました。まずは住民の中でまだ自治会やご近所とコミュニケーションがとれていない人に声掛けすることなどのお手伝いをしていただきました。

仮設住宅は部屋が狭く、住民がお互いに行き来するのが難しいんです。住民の方に「家の中から外を眺めているばかりで、誰とも話さない」と言われたこともあって、今、毎週水曜日に集会所でお茶会を開いています。観たい映画をリクエストしてもらって、みんなでDVDを観たり、手作りの食べ物を持ち寄ったりといったコミュニケーションの場です。応援隊の方にも来ていただいて、話し相手になってもらっていますが、中でも庄司さんには、アンチエイジング美容セミナーとして、メイクの講座を開いてもらうなどして住民の方にも喜んでもらっています。」

若返るメイク講座で引きこもりにさせない
庄司さん「資生堂に勤務していたとき、「化粧療法」といって、化粧をすることで気持ちが前向きになったり、外に出て人と会う自信が持てたりする効果があると教わりました。寝たきりだったおばあちゃんが、お化粧を続けることで元気を取り戻し、歩くまでになった事例もあるそうです。仮設住宅は高齢女性が多いので、美容の講座を受けに来て、元気になってもらえればと思いましたが、最初は受け入れてもらえるか心配でしたね。

でも始めは照れて『私は(やらなくて)いいから』なんて言っていた人も、お化粧をするうちに目がキラキラしてきて…。やはり「化粧をする」ということは女性を元気にするんですね。」

鹿又さん「みんなニコニコして若返ったようでした。私自身も庄司さんに眉毛のきれいな整え方やメイクをする上で自分に似合う色などを教えてもらいましたが、自己流でメイクするのとは違った仕上がりで、プロは違うなと思いました。普段なかなかできない体験をさせてもらいました。 」

最後の1人まで
安心して暮らせるサポートを

庄司さん「イベントの開催支援もしていますが、みんなが楽しみにしているのは夏祭りですね。役員が少ない中、鹿又さんがテントや屋台、ゲームなど借り物の手配などの準備段階から当日の買い出しなど、奮闘する姿が印象に残っています。」

鹿又さん「夏祭りは子どもたちはみんな浴衣に着替えて参加しますし、引っ越して仮設を出た人も遊びに来てくれるので、盛り上げたい一番大きなイベントです。人手がないので、ほかのボランティアさん同様、復興応援隊の方にお手伝いいただくからできることだと感謝しています。」

庄司さん「応援隊の活動は自分にとっても学ぶことが多く、毎日を新鮮に感じられるのですが、良かれと思ってしたことでも、やり過ぎはその人のためにならないこともある。支援は加減が難しいのが課題ですね。」

鹿又さん「自治会としても、参加していただく方にも例えばお祭りのときは漬物を作ってもらったり、芋煮会では野菜を切るのを手伝ってもらったりと、上手く巻き込んで自主的に関わりながら楽しんでもらえるようにしています。」

―これからの目標を教えてください。
庄司さん「東松島市には、21か所の仮設住宅があり、どこの仮設住宅も同じだと思いますが、3年も経つと自宅を自主再建する人など引っ越しをする人も増え、住民が少なくなってきています。東松島では仮設の入居率が7割を切ったところもあります。仮設に住む人が少なくなるのは喜ばしいことですが、役員をやれる人もいなくなるなど自治会の運営にも関わってきます。

鹿又さんは、行動力があり、しっかりしていて気働きができる人。お嫁さんにしたいNO.1と言っていた人もいましたよ! ただ、ひとりで頑張り過ぎないように、私たちも出来る限りお手伝いをしていきたいと思っています。復興応援隊として、最後の1人が仮設住宅から出られるまで、明るく安心して暮らせるコミュニティーづくりのサポートをしていきたいですね。」

以上

2014年12月取材

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