特定非営利活動法人わたりグリーンベルトプロジェクト

2015年度、2016年度の立正佼成会一食平和基金宮城県復興支援事業「復興まちづくり協議会等事務局ステップアップ助成」に申し込み頂きました、亘理町の特定非営利活動法人渡りグリーンベルトプロジェクトに、助成金を取得するに至った経緯と、助成金を取得した後の状況について、代理理事 嘉藤一夫様・片岡義隆様よりお伺いいたしました。



亘理町における防潮林を中止とした地域自然を生かした沿岸地域の復興と次世代への引き継ぎを目的として住民主体で立ち上がったプロジェクト。町民の基本構想図策定提言のほか、交流・研修、情報発信などの事業を展開。2015年2月にNPO法人化。

地域と企業を巻き込む力を活動の原動力にする

助成金活用後の地域との関係について

わたりグリーンベルトプロジェクトが着手している防潮林の植樹活動はその規模も大きく、しかも何十年単位でのメンテナンスも必要という壮大なプロジェクトです。事務局ではそれを実現させるために、「自活」の途を探ろうとしています。さらにいえば防潮林はこの街に人が来てにぎやかに繁栄していく為の方法であり、防潮林の完成や持続自体は目的ではないと考えています。

そのステップとして様々な研修やワークショップを行っています。今年度はアサザ基金の視察を行いました。アサザ基金の視察により、企業との連携の在り方など、学ぶことができたこと。アサザ基金は、企業の研修と寄付が収入源となっており、参加型のプログラムを提案し企画料をもらうという事業は参考になりそうです。また、企業・行政・NPOの連携によるプログラム作りも今後の事業に活かすヒントになりそうです。

これまでは、植樹祭、苗木の里親、畑づくりなど行っていましたが、最近は企業の研究等で参加も増え、住民参加も増加しています。植樹祭には企業からの参加も多く、あと3年くらいは継続させたいということです。「苗木の里親」の取り組みもチラシを作成して実施しており、町内外のイベントで配布したところ里親になってくれる人が増えたそうです。

また、イベントを開催する際にチラシを作成し、全戸配布したところ昨年の倍の地元住民の参加があったことも新たな展開でした。事務局のサポート体制に関しては、退職した町民がボランティアで植樹の仕方なんど手伝ってくれる人もいたり、活動に参加・協力してくれる人が増えています。

特定非営利活動法人わたりグリーンベルトプロジェクト活動の軌跡

2011

苗木の育成開始

「亘理町震災復興計画」の「30,000本の防潮林育成プロジェクト事業」(復興のシンボルとして民間による防潮林・街路樹の育成)の実施策として、種苗業者やボランティアと地元の種を採取するところから苗木の育成を始める。

2012

亘理町沿岸部「おらほの森」の基本構想図(マスタープラン)策定

総務省「緑の分権改革」復興支援モデル実証委託事業や企業の方々に支援を受け、亘理町沿岸部の復興プランを描くワークショップを開催した。町民を含む延べ200名が参加し、マスタープランを策定した。

2013

海岸林(残存林)の維持管理・下草刈りの実施

在来種が育ちやすい環境づくりのため、亘理町吉田東部地区の残存林内にて外来種の駆除作業を開始。初年度は5.5haの面積で実施。参加者は213名。

2014

海岸林(残存林)の補植作業の実施

亘理町吉田東部地区の残存林内に補植作業を開始。クロマツ、コナラ、ヤマザクラなど691本をボラティア117名で植樹した。

2015

NPO法人設立

「町民全員が関わる、未来に続く海岸林づくり」を実現するために、NPO法人を設立。その後、県・町との三者協定を結ぶことができ、海岸林(町有林)の新規盛土地へ植樹を開始。

2016

「健康農業」事業の引き継ぎ

他団体の健康農業事業を引き継ぐ。震災によって崩壊した高齢者のコミュニティ再生を当初の目的にしているが、沿岸部地域復興の為の遊休農地の活用や沿岸林再生のボランティアを増やすことも狙いとしている。

今後の課題

視察から学んだノウハウを生かして、企業の研修、連携などを増やしたいと考えています。また、遊休農地の再利用をして作物を作り、商品化をすることも検討中です。土壌を生かした市民農園作りも目指したいと考えています。

ステップアップした点とこれから

企業との新たな連携、ボランティアとしての地元住民の参加者が誕生したことが挙げられます。今後は、防潮林再生により多くの人に活動に関わってもらい、その人たちと市民農園を繋ぐ取り組みを目指したいと考えています。また、遊休農地を再利用して作物を作り、商品化して収益をあげていきたいとのことです。(イチジク、ブルーベリー、ブドウ、梨、落花生)。畑のイグネ:椿の育成も検討中です。いつまでも被災者という意識ではいけないと考え、自活・自立を決意した点は団体として大きなステップアップになったと考えています。

助成金事業の内容

機器(植樹活動資材、記録用ビデオカメラ)、備品整備(シュレッダー)、リーフレットの作成、事例視察(アサザ基金)

れんぷくから見たわたりグリーンベルトプロジェクトの助成金活用について

れんぷくの関わり

わたりグリーンベルトプロジェクトとは本事業をで初めて本格的な交流を持つことになりました。スケールの大きな植樹活動や気球搭乗イベントなどのモニタリングを行い、立正佼成会の広報誌「5佼成新聞」の取材にも協力していただきました。今後はNPOと企業の連携の良きお手本として、れんぷくがわたりグリーンベルトと連携していくべきと考えています。

助成金活用を検討している方へのポイント

平成29年度を自立の初年度にしたいというビジョンを掲げながら、着実に企業との連携による事業を進め、新たに自活の道を模索している点は、視察による学びが実践的に活用されています。また、後方に力を入れることで地元の人との新たな関係構築ができ、持続可能な組織体型が確率されつつあります。